男が男を買ってみた①
吾輩は猫である。名前はまだ無い。
と始まる文章があったとかなかったとか。
私は携帯で売り専を検索していた。
欲望と、好奇心とで検索してみる。
田舎の町に唯一つ存在していた。
『男が男を買ってみた』という文章を書こうとしていたのは去年だったか一昨年だったかもっと前だったか。
その時には東京の、Twitterで応援している人の店で買おうとしていた。
しかし金が無いし、それだけで東京に行くのもめんどくさいし、そもそもそこまでしてヤりたいかといえばそうでもなかった。
怠惰で、やらない理由はいくつも作れた。
そして時間だけが過ぎていった。
コロナという得体の知れないものに社会が侵され、人々の生活が制限される中、私にも暇が訪れた。
そうだ、男を買おう。
もうこのタイミングしかない。
過去を振り返っても、ここまで絶好の機会は無かった。
しかし東京には行けない。
……地元にもあるのだろうか。
どれもこれもタイプじゃないなあ、あ、この人顔写真は無いけど、体だけならまあまあかもしれない。
スペックも悪くないし、この人にしよう。
そう決めてから、スケジュールを確認しつつ、やっと予約をした。
先約の人がいるそうで、その前の予約となった。
売り専とは、時間辺り幾らで、男とエッチなことをする店である。
店が借りてる部屋か、客が借りるホテルか、客の家で行為をする。
女性相手と違うのは、スタッフのポジション(タチかウケか)があるので、そこを考慮して決めるところ。
実際はさらに細かく、絡みタチ/ウケ(リードするされる)、バックタチ/ウケ(お尻に入れる入れられる)、キス可不可、フェラ可不可、などがある。
(お店によっては軽いSM、強いSM、小スカ大スカ、コスプレ、スワップ等あり。調べてね。)
また、身長・体重・年齢・Pサイズ(ち○この大きさ)や、顔の雰囲気、筋トレ歴、過去の部活動なども載せてあったりする。
とまあどんな所なのかの事前知識はあるけれども、実際にどういう流れなのかは分からない。
吾輩はタチである。経験はまだ無い。
なので、ある程度慣れてそうで、バックウケ可なアツシさん(仮名)は丁度よさそうではあった。
アツシさんは25才の168cm、ゆるく鍛えててキス好き。
16cm差が絶妙にいい感じ。
個室(お店が準備した部屋)で120分での予約。
さてさてどうなることやら。
続きは②の方へ。