ロボットとグラス拭き

キーワード3つ ロボット、グラス、変身 を使って

 

 


町の片隅、寂れたバーでグラスを磨き続けるロボット。
お気に入りの紫のグラス拭きはもう何年使っているか分からない。

「マスター、まだロボットにグラスを磨かせてるの? そろそろ専用のマシンを使いなよ」
「マスター、そのボロボロのグラス拭き、そろそろ替えなよ」

常連たちにそう言われても、マスターはふふっ、と笑うだけだ。

 

雪の中、倒れてる男にこのBar Asatoを任された。
このロボットを見ると、あの日のことを思い出すのだ。

 

ロボットのことを常連たちにとやかく言われ、今日もまた、マスターはふふっ、と笑う。
ロボットはグラスを磨き続ける。
“アサト”の刺繍が入った紫のグラス拭きを使いながら。

 

 


「なあ、知ってるか。何年も幻と言われていた、人間をロボットに変える装置が見つかったらしいぞ」