おっさんとビジホでチューした話
まずはじめに言っておきたいのは、タイトルが頂点の記事なので、これから先の盛り上がりを求めないで欲しいということだ。
僕が自分をゲイであるとほぼ確定させたのは、高校に上がった時だ。
具体的に何かがあったわけではないのだが、そうなんだ、と自分を納得させたのは覚えている。
女の子が好きだったし、好きになったし、好きになられたし、告白もされた。
今ではゲイだと思っているが、本当にそうかといわれれば悩むし、これから先もそうかといわれると困る。だって具体的に何にもないから!
とまあ、みんなの頭の中にあるゲイへのイメージ像とは異なるだろうし、おそらくイメージとぴったりな人はなかなかいないのではないだろうか。
私はこの件に関しては三次元的グラデーション説を唱えており……、とこの先は長くなるので又の機会に。
そんな高校生活(行間の中にはテニス部に入って半年で辞めて、帰宅部としてぶらぶらしている時に合唱部に拉致られたという内容が入っています)で、とある出会い系チックなサイトに登録していた。
ちなみにこのサイトはお仲間の紹介がないと登録できないもので、プロフィールを書いたり、掲示板で共通の話題で盛り上がったりするものだ。あるブログサイトの掲示板で知り合った人に紹介してもらい、高校の頃に登録した。
後に誰でも登録できるようになり、興味本位の人や女子などに荒らされ今では閉鎖した。まあそれだけでなく、スマホが出てきてアプリに人が流れたことも大きいのだろうが……。
そのサイトでおっさんからメッセージが来た。たしか、こんにちはーとか、どこ住んでるのーとか、そんな感じだったと思う。
そのやりとりの中で、○日に××県(僕の住んでる県)に泊まりで行くので会えませんか、というメッセージが来た。
ソッチの人に会ってみたい気もするが、襲われたりしたらどうしようとか、学校や周りにバレたらどうしようとか考えてしまいなかなか決断できなかった。
(かくにちゃんは貞操観念が強かったのです……!!!)
そんな時、なにがきっかけだったか、僕が合唱部に入る最後の一押しとなった当時副顧問だった女性教師にこのことを相談した。
するとゲイの知り合いいるし色々知ってるけど、まずは会ってみたら、と提案された。
今考えると、先生という立場として、生徒によくわからん大人と会うことを勧めるのはどうかと思うが、この件もあっておっさんと会うことにした。
メッセージのやりとりで、相手の泊まっているビジネスホテルに行くことになった。
知らない人で、しかも初めてのホテル、緊張しないわけがない。(実際には遠征などでホテルに泊まったことありました)
部屋番号を教えてもらって、そこを訪ねた。
おっさんがどんな人だったか気になると思うんですが、残念ながら、全く、これっぽっちも、寸分も、ミリで、覚えてねえ!!
タイプじゃなかった気はする。まあ、おっさんイケルかなって思い始めたのも最近だし仕方ない。
入って椅子に座らされて、可愛いねーとか、部活何してるのーとか聞かれた気がする。
その後に訪れる静かな空気。
恋愛経験の無い俺でも分かる、この後の不穏な流れ。
おっさんは俺にキスをした。
良いとか良くないとかじゃない、よく分からないが頭を流れる。
どちらかというと嫌かもしれない、けど断りづらくね? 拒否れなくね??
と思考がとっちらかってるところに舌が来た。
すみません
そう言って拒否していた。
おっさんは、この先は止めとこっか、といって離れた。
なんだかおっさんがペットボトルから飲み物を飲むのを見るのが嫌だった。
これからご飯に行かない? と誘われて、今ではどこにあるかも覚えていない韓国料理屋に入った。
そこで食べた料理がどんな味で、どんな会話で間を持たせたのかも覚えていない。
奢ってもらって、お店の前で別れた。
僕の中ではゲイの人とオフしたという事実だけが残った。
今思えば、おっさんは乱暴なこともせず、右も左も分からない若造の“初めての人”になってくれた優しき人だったのかもしれない。
ただ単におっさんのタイプではなかっただけかもしれないが。
ありがとう、おっさん! ありがとう、名も顔も覚えていないおっさん!
そんなこんなで、初オフも、いい年になってからの初めてのチューも捧げたおっさんとの話でした。
後日副顧問の先生にはどうだったの、と聞かれましたが、笑って返すことしかできませんでした。
ちなみに、大学生になってからも色んな人とオフしてあれやこれやあったけど、これはまた別の機会で……。