ボクの物語 2

「君がそう言って、本当に大変だったことはないけどね」

カウンターに座った白根(しらね)さんはアッサムのストレートティーを飲みながらくっくと笑った。
確かに、この小さな村では大事件など起こらない。
最近では村長が農作業中にギックリ腰になったくらいしか事件が起こっていない。

「ひどいっす! 今度はホントに大変なんです!」

手に持ったデジカメを操作して、液晶モニターをこちらに向けてくる。
なんと、国道の先にある橋が落ちているではないか。