とある同性愛キャラについて

フジテレビで何十年振りかにとある同性愛キャラがバラエティー番組で復活した。
これについて、私の意見を書いていこうかと思う。

このキャラは、口の周りに青髭メイクをし、口をあまり開けないようにウフフと笑う。
ホモなの?と聞かれ、あくまで噂なの、とウフフと笑う。

これの何が問題か、というと
①テレビで扱われる同性愛キャラの希少性
②テレビの中の人たちの、そのキャラへの扱い
③数十年前当時のトラウマの掘り起こし
④今件への否定的な意見への否定
だと思われる。


①テレビで扱われる同性愛キャラの希少性
日本では同性愛や同性愛者をテーマに扱うことは少ない。ドラマなんかだと、“それ”を取り上げることがドラマの一番の目玉になっていたりする。(異性愛者にとってはそれが当たり前なのかもだが)
そんな状況で、バラエティーの同性愛キャラだけが目につく状態であると、自分のセクシャリティに悩み始めた青少年はそのキャラクターが同性愛者の当たり前に感じてしまう。
もちろんそんなことはないのだが、圧倒的に選択肢が少ないのだ。


②テレビの中の人たちの、そのキャラへの扱い
他の共演者はそのキャラクターが出てくると、公園にそんな親父がいた、見かけたら逃げていた、などと発言している。つまり、一般人(この場合の異性愛者)からすると、ホモ(同性愛者)は逃げるべき対象である、と言っているように聞こえるのである。


③数十年前当時のトラウマの掘り起こし
今回の件は特別番組の一回切りであったが、当時は何度もそのキャラクターがテレビに出ていて、家庭や学校で同じような喋り方や仕草の人に気持ち悪いと言葉を浴びせたりあっただろう。かくいう私も家庭でそのようなことが何度もあった。今ではそれほどでもないが、当時は辛い思いを何度も我慢してきた。あんな思いを他の人にはしてほしくないと考えるのは当たり前のことではないだろうか。


④今件への否定的な意見への否定
実際に辛い思いをしている人がいるのに、俺ゲイ(同性愛者)だけどなんとも思わなかった、騒ぎすぎ、差別だと言い過ぎ、発言の自由を奪っている、と言う人がいる。自分はなんとも思わなかった、と言うのは自由だが、今件に否定的な意見や人を否定するのはいかがなものだろうか。あなたが同性愛者であっても、同性愛者の代表ではないのだ。



正直書いてて面倒くさくなったので軽くまとめるが、同性愛をテーマにするな、笑うな、ということではなく、テーマにするなら選択肢が広がるようにもっとたくさんを、同性愛ネタに笑っているときは何に対して笑っているかを考えて欲しい。
そして同性愛者の敵は同性愛者だということだ。


皆さんも胸に手を当てて、誰かの“辛い”を、自分が代表かのように否定していないか考えて欲しい。


まあ私は手を当てる胸が無いんですが。